風景とは(1)

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これまで、原風景について考察してきました。今回は、その基となる風景とはそもそも何なのか考えてみましょう。太古の昔、自然は驚異であり、生存するための戦いの場であったわけで、風景というような概念はなかったといいます。
人類はある時、「風景を発見した」という言葉が当てはまるのです。
風景を考えていくヒントとしていくつかの文献での言葉を紹介しましょう。
1:風景そのもの」をテーマとする限り、たとえば大地の表面の形状として「風景」を理解することはできない。それを「客観」と呼ぶなら、「風景」とは客観と、それに対している主観との間に存立する一つの事態であると言うほうが正確であろう。では、そもそも「風景」とはいかなる事態であるのか。たとえば人が環境世界を知覚しているという事態から問うとして、そこにいかなる限定が加わるとき「風景」となるのか。(因みに、ほとんど「自然」(の知覚相)と同義で「風景」と言われる場合もあるが、編者は「人工的なもの」、(ドイツ語では"Stadtschaft"という言い方もあるが)たとえば都市についても「風景」という事態があると考えている。「風景」を規定するとき、最低限この点を包含するものでなければならないであろう。)[安彦一惠 佐藤康邦、「風景の哲学」、叢書【倫理学のフロンティア】XI、ナカニシヤ出版、2002の43頁]

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