2009年12月アーカイブ

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著者:加藤文俊

出版社:慶應義塾大学出版会

出版年:2009


21世紀はヴァーチャルの背かとリアルの世界を結びつける時代。GoogleMap、セカイカメラなどツールは充実し始めた。さて、それらをどう使うのか。著者は「キャンプ論」という名称で、フィールドワークの新しい手法を提案する。この方面の研究に興味のある人だけでなく、一般の人たちにも活用可能な多くのヒントがある。

心に残る一文:暮らしのなかのフィールドワークは、あたりまえとなった毎日の生活を、一歩引いた立場から見直す機会をつくる。それを習慣づければ、私たちは、人びとの微細なふるまいにも気づくようになり、自分をとりまく環境への関心は、結局のところ、自分自身に対する感受性をも高めることになるだろう。 155頁
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著者:高橋敬一

出版社:祥伝社

出版年:2009

この種の題名の本は注意が必要。だが、この本はなかなかおもしろかった。結論は、人間の本能が自然との共生を不可能にしているという夢のないものだが、私の気持ちと同じのは、「自分の価値基準を他人に強制しない」ということ。
自然保護を否定するものではないが、あくまで、その人の極く狭い経験からの意見であることを自覚した上でやってほしいと、この本の筆者は述べる。

心に残る一文:価値観の数だけ異なる自然が存在していることを意識せず、なによりも「私」が大切に思う自然を守れと叫び、それが全ての人にとっても重要であると考えるのが「自然との共生」思想を生み出した本能的考えである。 175頁

このように厳密にいえば随分異なる鎮守の森、里山・雑木林なのですが、我々にはいずれもどこか懐かしい[原風景]といえる場所になっていることが多いのです。前回書いたように、原風景のきっかけは子供時代にあることがほとんどです。人里に近いところにある「鎮守の森、里山・雑木林」は、子供にとって自然に接することの出来る遊び場なのです。その場所は、多様な植生と生物の棲む情報にあふれた場所なのです。鎮守の森では暗くて何となく怖い場所があり、探検気分を味わわせてくれるし、雑木林ではカブトムシやクワガタムシを捕ることが出来ます。このように、子供時代、虫を追いかけたり、木の上に陣地を作ったりしたものにとっては、思い出という情報のいっぱい詰まった場所なのです。