私の本棚(10):メディアの発生

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著者:加藤秀俊

出版社:中央公論社

出版年:2009


メディアの原型は聖と俗をつなぐ「霊媒」にあるとして、日本各地を訪ね、今に残る歴史を探索する。内容は高度だが楽しい本。加藤秀俊先生が楽しんでいる様子が、全編から伝わってくる。つまり、究極の「ブラタモリ」だと言ったら、加藤先生に怒られるか。知識は人生を豊にするとつくづく思い知らされる。こういう風に年を重ねたいが、浅学の私ではとても無理か。


心に残る一文:一遍をはじめとする遊行上人たちが全国でおこなったおどりと念仏は、いつしかそれを経験した民衆に鮮烈な記憶としてのこり、それを盆行事の不可欠の一部とするようになったのである。

「踊り」という身体運動をつうじて「カミ・ホトケ」とりわけ祖霊を祀り、また祖霊と交信することが可能である、という思想が「盆」行事と重なって「盆踊り」は全国いたるところでおこなわれるようになったが、この習俗はそんなにふるいものではなかった。はっきりいって、それは十三世紀のおどり念仏が直接的な契機になってうまれたものなのである。


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