私の本棚(8):生命の多様性

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著者:Edward O. Wilson
訳:大貫昌子、牧野俊一
出版社:岩波書店
出版年:1995

生物研究の大御所。多様性に興味のある人必見。

心に残る一文:生命は五つの大きな出来事によって減少し、その他にも軽度ながら世界中のあちこちで無数に起こった出来事によって痛手を負った。だがそうして減少するたびに生命は再び盛り返し、少なくとも以前どおりのレベルの多様性は回復してきた。第一級規模の突発的絶滅のあと、減少が復旧するまでの進化にはいったいどれくらいの時を要したのだろうか?それを推定するにあたり、海に住む動物の科の数は、存在する化石の証拠を基にするのと同じくらい信頼できる尺度である。一般的に言うと、回復への強力な第一歩を踏み出すだけでゆうに五〇〇万年はかかった。五回の大量絶滅のたび、それから完全な回復までには何千万年もの年月がかかった。個別に見ると、オルドビス紀の絶滅のあとは二五〇〇万千、デボン紀には三〇〇〇万年、ペルム紀と三畳紀(この二つの間隔は非常に近いので一つにまとめた)には一億年、白亜紀の絶滅のあとには二〇〇〇万年、かそれぞれかかっている。これらは人類(ホモ・サピエンス)が破壊したものを自然が必ず補充してくれるものだと信じ込んでいる人々を、しぼし考えさせる数字であろう。なるほど自然は失われたものを補ってくれるかもしれないが、現在の人類にとって意味のある時間内にはとても間に合いそうにない。

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