発信者優先世界の変化(その2)

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 この発信者優先の世界に今、異変が起こりつつあります。携帯電話での発信者番号表示が常識化したからです。最近学生に聞くと、発信者が表示されない電話はもちろんのことのこと自分のデータベースに入っていない通話には、「出ない」というものがたくさんいます。つまり、受信者が発信者を選択する時代がやってきた[1-7]のです。どうしてこのようなことが社会的に常識化してきたのでしょうか。それは、いたずら電話・おれおれ詐欺など発信者優先の世界を悪用したものが多くなり、これに対する対抗手段と位置づけられているからでしょう。発信者が表示されない電話には出ないというものの多くが、女子学生であることからもそれはうかがえます。悪貨は良貨を駆逐するといいますが、この場合は、悪貨が電話文化を変えたといえそうです。


 これは、電話というメディアを使う手法の大きな変化です。われわれ戦中派の世代は、電話がない時代から、電話が鳴ると何か良くない知らせではと考える時代、女房や子供の長話にいらいらする時代、一人一人が電話をもつ時代などを経てきたわけですが、電話が鳴っても出なくて良いという社会的行動は、ある意味ではメディアとしての電話にとって最も根本的な変化といえないでしょうか。


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